日本には旧東海道周辺が一躍注目される2日間があります。
毎年1月2日・3日に開催される「箱根駅伝」です。
説明するまでもないかと思いますが、箱根駅伝とは大手町から品川、川崎、横浜駅(神奈川)、保土ヶ谷、戸塚、藤沢、平塚、大磯、小田原、箱根と学生ランナーが駆けていく長距離駅伝です。
実は箱根駅伝の元になったのは「東京奠都五十年奉祝・東海道駅伝徒歩競走」という記念大会です。この大会は大正時代に開催され、東京上野と京都三条大橋を東西の学生代表たちが駅伝形式で繋いでいくという恐ろしくエキサイティングな大会でした。
(歌川広重)
完全に東海道53次を意識していますね!
おじさん
3日間かけて東京から京都まで走るなんてロマンですよね!
そのためか箱根駅伝では、旧東海道の宿場町である品川宿、川崎宿、神奈川宿、保土ヶ谷宿、戸塚宿、藤沢宿、平塚宿、大磯宿、小田原宿、箱根宿の近くを通ります。
旧街道オタクにはたまらない駅伝、それが箱根駅伝なのです。
そんな箱根路の中でも特に旧東海道を感じられる街道スポットをいくつか紹介します。
はじめに
簡単に自己紹介を。
祖父は日本橋生まれ日本橋育ち。自身も旧東海道に魅了され、30代で2度、旧東海道を日本橋から京都三条大橋まで約500km歩いて踏破した経験あり。街道や歴史・文化が好き。
箱根駅伝も大好物で基本的に毎年沿道で応援している。観戦歴は30年を超える。
旧街道を感じられるスポット
ここからは旧街道を感じられるスポットをいくつか紹介していきます。
日本橋|東京都中央区
何と言ってもまずは日本橋でしょう。
旧東海道(五街道)の始点であり、江戸の中心地でもあった日本橋。
箱根駅伝でも復路のコースに設定されており、学生ランナーたちが駆け抜けていきます。
ゴール大手町の直前でもあることからテレビ中継で日本橋を駆けるランナー達の姿を観た事がある人も多いのではないでしょうか。
泉岳寺|東京都港区
忠臣蔵や赤穂浪士でお馴染みの泉岳寺も旧東海道沿いにあり、箱根駅伝でもすぐそばを選手たちが通過します。
高層ビルが立ち並ぶ中でも歴史風情を感じることができる注目スポットの一つです。
六郷橋|神奈川県川崎市
東京都と神奈川県の境を流れる多摩川。箱根駅伝では多摩川を超える際に六郷橋を渡ります。
ルートとしては旧東海道沿いにあるスポットですので、ここで紹介しておきます。
ただし、正しくは江戸時代にはこの場所に橋はなく、基本は舟で渡るスタイルでした。
橋がなくていちいち舟で渡らないといけないなんて不便極まりないですね…。六郷橋がかかってくれて嬉しい限りです…!
遊行寺|神奈川県藤沢市
神奈川県藤沢市にある時宗の総本山である遊行寺も有名です。
踊り念仏でお馴染みの一遍上人に所縁のある遊行寺は、旧東海道沿いにあり、箱根駅伝でもすぐ近くを選手たちが走ります。「遊行寺坂」という言葉をテレビ中継で聞いた事がある人も多いですよね。
箱根駅伝でも紹介されますが、とにかく急な坂で選手たちを苦しませるスポットでもあります。
権太坂|神奈川県横浜市
先程の遊行寺坂同様に有名な坂である権太坂。
こちらも学生ランナーたちを苦しませる急坂として知られています。名称が特殊でありインパクトがあるため、権太坂を知っている人も多いかと思います。
そんな権太坂ですが、箱根駅伝の権太坂と実際の(旧東海道の)権太坂や少し位置が異なります。保土ヶ谷や戸塚周辺の旧東海道は、道幅も狭く中継車なども通れないこともあり、箱根駅伝ではコースになっていません。実際の権太坂はなかなかに急で個人的には遊行寺坂よりもきつい印象があります。
東海道の松並木|神奈川県大磯町
旧東海道に数多く植えられていたと言われている松並木。
その景観は実に優美で今でも当時の姿に近い形で保存されている場合もあり、街道歩きでも人気があります。中でも神奈川県大磯町にある松並木は箱根駅伝中継でもよく映る人気スポット。
街道の歴史も感じられる景観であり、ここを学生ランナーたちが駆け抜ける姿はとても絵になります!
酒匂川|神奈川県小田原市
神奈川県小田原市を流れる大きな川です。
江戸時代には橋がかかっておらずに、人に担がれて渡ったと言われています。
夏には大きな花火大会も開催されるなど地元民からも愛される場所です。
芦ノ湖|神奈川県箱根町
往路の終着点、復路のスタート地点である芦ノ湖も旧東海道沿いになります。
箱根駅伝をテレビで観戦した事がある人は多くの方がみたことがあるであろう芦ノ湖。
こちらには箱根駅伝ミュージアムなども建設されているなど箱根駅伝を存分に楽しめる場所でもあります。
あの名所は旧東海道ではない?!
箱根駅伝でお馴染みの名所たちは実は旧東海道ではない場所もあります。
例えば山の5区6区でお馴染みの宮ノ下、大平台のヘアピンカーブ、箱根湯本駅前、小涌園、国道1号線最高到達点、湘南大橋、横浜駅前などが、箱根駅伝では有名なスポットですが、実は旧東海道ではありません。
これは道幅などの関係で中継車が走れなかったり、そもそも人間が大勢走ることが難しかったりするので、より走りやすいコースとして設定されたものといわれています。
箱根の石畳など歴史的な資産の上を箱根ランナーたちが走るのもどうかと思うので真っ当な判断だとは思います!笑
おわりに
いかがでしたか?
今回は、箱根駅伝で旧街道(旧東海道)を感じることができるスポットを紹介しました。
正月シーズンの楽しみである箱根駅伝は実は歴史やその土地の風土なども楽しめる素晴らしい大会です。
選手達が走る周辺スポットを調べてみるとより楽しみが増えるかもしれませんね^^
少しでも本記事が皆さんの参考になりましたら幸いです。
それでは今回はこの辺で!
こちらもおすすめ
コメント